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改善提案で業務改善

生産性の改善

 改善提案の目的は生産性の向上の場合もあります。

生産性向上とは、より少ない人員でより沢山の生産量をこなすことが目標となりますが、これはもともと日本の製造業が得意としていた改善だと思います。

世界で知れ渡っているトヨタ方式のカイゼンがまさにこの代名詞で、今や日本の企業のみならず、全世界でも導入されている生産性向上の手法となっています。

生産性を向上させるということを、もっと分かり易く説明すると「より少ない人員で」、「より沢山の量をこなし」、「より品質が良い物を送り出す」ということになりますが、これらの目的は単独で存在すべきものではなく、同時に達成していく必要があります。

沢山の生産ができても品質が安定しないと、材料を棄てることになったり、そこまではいかなくても検査工数が掛かってしまいます。

少ない人員で生産をこなしても、お客様が必要とされる量を達成できないようでは、そっぽを向かれてしまいます。

品質が最上級に良くても、沢山の人をつぎ込んだり、生産量が落ち込んでしまっては、コストが急騰して利益が出なくなってしまいます。

このように改善で生産性を向上させる場合には、現状よりも良くなる事を前提として、ターゲットを何に絞るかを考える必要があります。

つまりターゲットにしたものを向上し、その他は現状維持か、あわよくばそちらも向上させるようにすべきで、どれかを犠牲にしても良いという考えは間違いです。

生産性の改善提案は慣れないと難しいように感じるかもしれませんが、これをマスターすることにより、製造業では改善の「マイスター」として必要不可欠な人材となれるでしょう。

挑戦してみる価値は絶対にあります。



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改善提案で業務改善

改善提案で人材育成

 改善提案は人材育成に役立ちます。

改善提案は、どんな教育よりも人材育成に役立つと思っています。

企業の教育の体系というのは、その人が持っているスキルを見ながら、または年次によって「次はこの教育」といった、ある意味自動的に決められている場合があると思います。

外資系ではこんなことはないと思いますが、日本企業は「終身雇用制度」の名残りからか、まだそんな教育体系が残っているのは止むを得ないと思います。

改善提案は慣れないと難しいことは事実ですし、慣れる(スキルを身に付ける)までの時間も相応に必要だと言えますが、このスキルを習得することにより、「自分で考える力」が身につきます。

これは他の教育との最大の違いだと思っていますし、人材育成には極めて有効だと考えています。

なぜなら、課題となるラインと目標を与えられて、それを自分の力だけで解決するのですから、総合的な改善力が必要となってきます。

それは問題を見抜く目であり、改善案を考える知恵であり、スタッフや関係者に説明する説得力であったり、粘り強く折衝を繰り返す忍耐力だったりします。

大多数の教育が一点集中型ですが、改善のプロとなる教育はいろいろなスキルが求められる場合が多いのです。

こんなことを考えても、改善提案のプロを育成する教育は、人材育成の面から考えても有効な手段だと思っています。


改善提案で業務改善

改善提案の楽しみは達成感

 改善提案は難しいものもありますし、完成するまで時間がかかったりするものもあります。

ではこんな改善提案の果てにあるものとは、一体何なんでしょうか。

これは非常に難しい問題だと常々考えていますが、まずは困難な課題にチャレンジして、それを達成したときに、人は成長するものだという事実。

そして、それにより達成感を味わった人は、さらなる課題にも積極果敢に挑戦していくという事実。

改善提案が人材育成としても有効だと考えるのは、こんなところにもありますし、実際に誰もが達成困難だと思った仕事を改善した人は、その後の成長が著しいと思っています。

人は考えることにより成長するし、成果を出して褒められた時に殻が破れたりするし、そんな経験を多く積むことにより、ノウハウを構築していきます。

改善はお金と知恵の総和だとよく言われますが、お金が無いときほど知恵を使う必要があります。

それは時としてすごく辛いものだったり、挫折を味わったりするかもしれませんが、そんな経験を沢山積むことによって、人は知恵を見に付けていきます。

改善提案で必要なことは知識であったり知恵であったりしますが、知識は誰でも教育をすれば身につけることが可能ですが、知識は自分で考えたり悩んだりする時間と比例すると思っています。

改善提案を進めることにより、この大切な知恵を身に付けることが可能だと思っています。


改善提案のサポート

 改善提案の組織を形成した後は、現場への支援をどうやって継続的に実行していくかが重要な課題になります。

改善提案の実行部隊はあくまでも製造現場であり、時にはスタッフ部署であったりしますが、その手法や考え方が間違っていないかを確認する必要があります。

それが改善を取り仕切る組織の役割だったりしますが、組織も時間が経つにつれて、管理が主たる目的になったりします。

ここで必要なことは、改善の実行部隊と管理部署の役割分担を、上位者(経営層)がしっかりと指示することです。

改善提案を推進する組織を形成しただけでは、時間と共に機能が形骸化していく可能性があるので、業務分担を明示して、その役割と常に念頭に置くようにする施策が必要となります。

改善にとっての最悪の状況は「時間と共に元に戻る」、「人が変わると元に戻る」ことだといえます。

これは組織にも同じことがいえるので、組織に対しても常に「自らの存在意義」を問うような歯止めが必要になります。

そうしないと、改善提案という目的を達成するために、現場に対して「改善しなさい」って言うだけの組織になってしまいます。

こうなると管理するためだけの組織となり、業務改善の意義がなくなってしまったりします。

改善提案は、各自がそれぞれの業務の中で最大限の価値を創造して、初めて達成できるものです。


改善提案は組織から

 改善提案を確実に浸透させたり、活発な活動にしていくために必要なことは、推進組織の編成をどうするかが大切になってきます。

改善提案は製造部署ならずとも、間接や事務系でも有効ですが、大体にして導入や活性化を検討するときは、嫌われる場合が多いものです。

この理由はいくつかあって、
1)改善提案が難しいものだと思っている。
2)具体的な進め方を知らない。
3)活動自体が面倒。
4)自らの仕事のやり方を変えたくない。
5)改善をすると仕事が増えると思っている。
といったことが挙げられます。

ですから、まず最初にやるべきことは、改善提案の実行部隊をキチンと組織して、ある程度の権限を与え、そこに必要とされるスキルを備えた人材を配置したり教育したりすることが必要になります。

改善提案の基本的な手法である「IE手法」は、相当頭を悩ませる学問であることは確かで、これを習得できる人材を最初に確保する必要があります。

現場を改善するのは、知恵や経験で何とかなりますが、その効果を測定するには、複雑な計算が必要だったり、管理手法を確立する必要があります。

そうしないと、せっかくの改善効果もその規模が分からなくなり、会社への寄与の程度や、改善を実施した人の達成感が得られなくなります。

こうなると改善提案制度の継続は難しくなり、活動は立ち消えとなってしまうのは、火を見るより明らかです。

改善を積極的に進めて行きたいと思ったら、まずは強固な組織を立ち上がる必要があります。


改善提案の底力

 改善提案は製造業ならどの会社でもやっているとは思いますが、根本的な勘違いをしている会社もあるようです。

改善提案は「省人」が狙いといわれた時代もありましたが、今の常識では「少人」が目的だといわれています。

この違いは「省」だと「人切り」といった悪いイメージがありましたが、「少」の場合は「最小の人員で効率よく作業をこなす」といった思いが込められています。

言葉尻だけだとその違いがよく分からなかったりしますが、「省」とは「仕事を奪う」、「少」は「人の持っているパワーを適材適所で生かす」と思っていただければ良いと思います。

改善提案で有名なトヨタ改善方式では、「人を大切にする」が基本となっているし、現場改善の手法として有名な「IE手法」も、その根底にあるものは、人の持てる力を最大限に発揮することにより、意味がない事に人の力を使わないことにあります。

それに改善提案の最大の効果は「考える人材育成」だと言われています。

アメリカ生まれのマクドナルドでは、従業員の対応や行動の基本は全てマニュアルに書かれていて、その通りに行動することが求められますが、この方式だと人は考えなくなります。

日本の改善提案制度の特徴点は、現場にいる人達が自らの仕事を変えていくことにあります。

これにより、人が成長し、仕事が変化(向上)し、そして新しい価値が生まれてきます。

日本の製造業が強い秘密はこんなところにあったのですが、最近は少し心配な面もああります。

改善提案で業務改善を進めて、再び日本の製造業の力を復活させましょう。


tenko0 at 23:16改善提案とは  この記事をクリップ!